きらきらとした虹色の光を放つ宝石の王様といえばやはり、ダイヤモンドでしょう。
しかし、鉱石の中にはダイヤモンドの2.4倍の輝きを持つものもあります。それが、今回ご紹介する「モアサナイト」です。
モアサナイトは、その輝き以外にも、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つなどさまざまな魅力を持っています。
この記事ではモアサナイトの特性や、産地、石言葉・効果などについて詳しく説明しています。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
モアサナイトの鉱物データ
英名 | Moissanite |
和名 | モアッサン石 |
分類 | 元素鉱物 |
化学組成 | 炭化ケイ素、シリコンカーバイド(Silicon carbide) |
化学式 | SiC |
結晶系 | 六方晶系 |
モース硬度 | 9.25 - 9.5 |
劈開性 | なし |
比重 | 3.21 - 3.22 |
屈折率 | 2.65 - 2.69 |
分散度 | 0.104 |
光沢 | 金剛光沢 |
色 | 無色透明、ピンク、ブルー、レッド、 グリーン、パープル、オレンジ、 イエロー、ブラウン、ブラック |
石言葉 | 「折れない心を持つ」「勇気を与える」 |
モアサナイトとは
モアサナイト(モアッサンナイト・Moissanite)は、炭素とケイ素(シリコン)とその他の内包物で組成されている鉱物です。
現在、地球上で一番硬いといわれている「ダイヤモンド」に次ぐ硬度があり、ダイヤモンドがモース硬度10であるのに対し、モアサナイトは9.25~9.5の硬度があります。
そのうえ靭性はダイヤモンドよりも高く、衝撃を受けた際に石に亀裂が入りにくい特性があります。
カラー展開も非常に豊富なのもポイントの1つ。モアサナイトには無色透明以外にも、ピンクやブルー、グリーンなどわりとはっきりとした色が出ているものも多いので、一見しただけでは、エメラルドやサファイアなどほかの宝石と混合しそうになるかもしれません。
ダイヤモンドの2.4倍の輝き
モアサナイトとダイヤモンドは、熟練のバイヤーでもなかなか見分けがつかないといわれています。
その理由は、2つの石の光に関するデータを見れば一目瞭然です。
モアサナイト | ダイヤモンド | |
光の屈折率 | 2.69 | 2.42 |
光の分散率 | 0.104 | 0.044 |
光沢指標 | 20.40% | 17.20% |
モアサナイトは、ダイヤモンドと比較してもそん色ない数値を持っているどころか、ダイヤモンドをしのぐ数値を持っています。
さらに、モアサナイトの魅力は、虹色の輝きが強いという点です。
宝石には「ブリリアンス、ブリリアンシー」という白い輝きと、「ファイア、ディスパージョン」という虹色の輝きがあります。
ダイヤモンドは光にあてた際に、白系の光を多く放っていますが、モアサナイトは虹色の輝きを放つ性質があるため、より輝きを強く感じることができるのです。
モアサナイトの産地
耐久性があり、さらに美しい輝きを放つモアサナイトであれば、ダイヤモンドよりも人気が出そうな気がしますね。
しかし、天然のモアサナイトを市場で見かけることはあまりありません。
その理由は、天然のモアサナイトは、地球上の鉱物ではなく、約5万年前に地球に衝突した隕石の中に含まれている物質だからです。
1893年にアメリカのクレーター、キャニオンディアブロで、隕石の破片の中から輝く石が見つかった時にはダイヤモンドであると考えられていました。
しかし、その9年後アンリ・モアッサン氏によって、その石はダイヤモンドではなく、炭素とケイ素で組成された地球外の鉱物であるということが判明したのです。
その後、発見者の名前をとって「モアサナイト」と名付けられています。 このほかにも、メキシコ・アエンデ隕石にもモアサナイトが含まれていますが、こちらのモアサナイトは、超新星爆発で飛ばされた粒子でできているとされています。
技術の進歩により量産が可能
天然のモアサナイトは、地球外の物質であるために、なかなか見つけることができません。
そのためにどんどん希少価値が高くなっています。
しかし、私たちの技術の進歩のおかげで、人工のモアサナイトは、クオリティが高いものが量産されています。
市場に出ている人工のモアサナイトは、ダイヤモンドよりは少しリーズナブルで、ほかの宝石類よりは少し高値に設定されているようです。
ただし、メーカーによりクオリティにばらつきがあるので、選ぶ際にはしっかりと確認することが必要でしょう。
モアサナイトの石言葉・意味・効果
私たちが想像もつかないような長い距離と時間をかけて地球にたどり着いたモアサナイトには神秘性すら感じますね。
ここからはパワーストーンとしての、モアサナイトについてみていきましょう。
モアサナイトの石言葉
ダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、靭性が高いモアサナイトは、「折れない心を持つ」「勇気を与える」という石言葉を持っています。
物事が思うように進まない場合、最初は自信があったとしても迷いが生じ、不安になったり挫折したりすることもあります。
そんな弱気になった心に喝をいれ、奮い立たせるためのお守りとしてモアサナイトはぴったり。また新生活を始める人へのプレゼントとしてもおすすめです。
モアサナイトの効果
- 不安や恐怖に打ち勝ちたい人
- 絶対にかなえたい夢や理想を持っている人
- 現状を打破し、人生を変えたいと願っている人
- 悲しみ、怒り、絶望などネガティブな気持ちを癒やしたい人
袋小路の中に迷い込んでしまった人や人生の岐路に立っている人、フォローを求めている人にぴったりのモアサナイトですが、恋愛アップのパワーストーンとしても最近人気が出てきています。
アメリカでは、見栄えが良く傷つきにくい石であることから、婚約指輪として注目を集めています。最近では、日本でも若いカップルの間でペアリングや婚約指輪にモアサナイトを選ぶ人たちが増えてきています。
モアサナイトのお手入れ・浄化
モアサナイトは、キズが入りにくく、亀裂も入りにくいことからデイリーユースのアクセサリーやチャームにぴったりの石です。
皮脂や指紋がつきにくい性質があるので、普段のお手入れは汚れを拭きとったり、流水で洗い流したりするだけでOKです。汚れがひどい場合には、中性洗剤を薄めた液で洗ってもいいでしょう。
ただし、すすぎと乾燥は丁寧に行い、洗剤成分が残らないように注意してください。
浄化の方法についても、一般的な浄化方法(日光浴・月光浴・温浴・塩・クラスタ・セージ)のいずれで行なっても問題はありません。
まとめ
今回は、モアサナイトについて紹介しました。
モアサナイトもダイヤモンドも、どちらもともに硬く希少で、美しい虹色の光を放つ石であることは共通しています。身に着けると、圧倒的な存在感を示してくれるでしょう。
モアサナイトの製造技術もどんどん進化しています。カラーバリエーションも豊富なので、気にいった石があれば積極的にお迎えしてみましょう。
モアサナイトのアイテム一覧
このコラムで紹介しているモアサナイトの天然石アイテムはこちらからご覧いただけます。